出版不況
出版不況という言葉は1990年代末から言われるようになったと言われています。
これは文字通り、日本の出版業界の「不況」状況を示す言葉です。
具体的な数字及び事実を言うなら、1997年以降、日本の出版産業の市場規模は年々縮小していると言われています。そして皆さんも名のある出版社の倒産、廃業や、雑誌の休刊、廃刊等と言ったニュースをよく耳にすることでしょう。
バブル経済崩壊後の所謂「失われた十年」、それに昨今の世界同時不況の影響により、日本でも不況に苦しむ業界は少なくありません。では何故このように出版不況が叫ばれているのでしょうか。
出版不況の現在としては経済の不況もさることながら、他にも幾つかの事情が重なった、いわば複合的な理由によるものだと言えます。
そのひとつが、所謂「活字離れ」と呼ばれる現象です。この活字離れは今に始まったことではないでしょう。子供や若者が本を読まなくなったということは久しく言われており、また大人にも同じことが言えます。
実際に読書量及び読書時間等の読書に関する統計を取ってみると、長年それらの数値がずっと下がりっぱなしの状態にあることがわかります。
世代を問わず、日本人は全体的に本を読まなくなったのです。
それに最近ではインターネットや携帯電話等、新しくて便利なメディアが普及したため、この活字離れに一層拍車がかかりました。皆さんがもし電車や地下鉄等に乗ってみても、読書をしている人は昔に比べて減ったと気づくのではないでしょうか。
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読書に代わる物
読書に代わって今は多くの人が電車や地下鉄の中で携帯電話を手にとっています。
読書時間や読書量が減った理由にはこうしたメディアの多様化による活字離れもありますが、それに関連するものとしての余暇時間の過ごし方の多様化、即ち娯楽の多様化があります。日本が経済的に豊かになるにつれ、余暇時間の過ごし方も変わってきました。
例えば日本人の所得水準が上がり車の保有台数が増えたことから、余暇にはドライブや旅行を楽しむ人が増えました。それ以外にも様々な娯楽施設が増え、そして余暇を過ごす様々な形式が増えました。従って家で読書をして余暇を過ごすという人は必然的に減少しました。
それにあとは、これは出版不況という出版業界だけの事情に限ったことではありませんが、やはり少子化の影響があります。
子供が減り、それが若者及び青年層の人口の減少に繋がっているため、出版業界の市場規模全体が小さくなっているのです。
もっともこれは出版業界だけの話ではありませんが、将来を見ても短期的には少子化、そして高齢化とそれがもたらすひずみを打破できる手段が見当たらないため、少子化の問題は今後も出版業界の頭を悩ませそうです。